同出版が刊行している『囲碁』という月刊誌の連載が、この一冊になった。
80~90年代の中国、韓国の新世代急成長に日本は追い抜かされたが、最近、
やっとその差が縮まりだした。私が思うに、呉清源、梶原武雄、藤沢秀行と
いった引退棋士の意見を、若手や新人棋士たちがよく学び、また独自に研究した
結果であろう。彼らの理念は引退しても変わらないが、誰よりも個性的で、
今尚進化し続けているように思う。
呉清源先生が提唱されている『21世紀の打ち方』では、石と石とのバランスが
大事とされる。難しい定石の変化を学ぶのではなく、簡明な定石を使いつつ、
大局観を学びなさいといわれる。
そしてコミ6目半、7目半の時代に向かい、積極的でありながらも調和、
つまり自分だけがと欲張らない心まで説かれている。
この本の内容は、布石からヨセまで、プロの実戦に対し、先生が意見を
述べられている。中身は濃くまた多いので、普通のテキストと同じつもりで
やろうというのは大変だと思うし、10級にならない人たちには難しいかも
しれない。
しかし、アマチュアにとってはよくできた教材。生涯の友人として、ゆっくり、
継続して取り組むのがいいと思うし、
「こういうところがスゴイ」
「布石がきれいだ」
と、ちょっとしたものを感じるだけでも勉強になると思う。