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25 人中、22人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 2.0
著作自体は優れているが、翻訳が不適切(研究者向けでもない),
By 研究者 (東京都) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 君主論 (岩波文庫) (文庫)
すでに指摘されているように、翻訳が悪い。接続法や指示語など、文章理解の上で直訳する必要のない部分をあえて直訳している一方、直訳で十分に意味が取れるところをなぜか意訳し、かえって日本語として意味が取りづらい点が多い。ゼミで用いたが、学生が気の毒であった。principato, stato、fortunaなどにはそれぞれ「君主政体」「政体」「運命」といった訳語が充てられており、多くの場合その翻訳は、専門的に見て必ずしも適切だとは思われない。訳語が一律で機械的であり、それぞれの文脈を踏まえた翻訳であるようには見えない。訳者自身の内容理解が伴っているのだろうかと疑わざるをえない。 誤訳とまでは言えないにせよ、読者がその日本語を正しく「再翻訳」しなければ、誤解を与えてしまうような点が多すぎる。別の版を用いた点が強調されているが、その相違はごくわずかである。たんなる個人的感想のような不要な注も目立つ。従来の翻訳のほうがはるかに優れているように思われる。
31 人中、27人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
君主論,
By ピエロ (会津) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 君主論 (講談社学術文庫) (文庫)
目的のためには手段を選ばない、目的は手段を正当化するといった意味の「マキャヴェリズム」、権謀術数に長けた人を指す「マキャヴェリスト」の語源となった、著者ニッコロ・マキャヴェリ(本書ではマキアヴェッリ)が、当時、彼が住んでいたフィレンツェの統治者に献呈した、上に立つ者の在り方、国の保ち方、民の治め方などを書いた、政治学の古典として名高い名著。「マキャヴェリスト」という言葉のせいか、著者にはあまり良いイメージを抱いていなかったのですが、本書を読んでそれが少し変わってきました。民を治める者は時と場合によっては悪人になるべきとか、新しい領土を得てそこを長く保つためには、前統治者の血縁を皆殺しにすればよいなど、確かに厳しいことも書いてあります。が、これらは過去の例をいくつも挙げていることからもわかるように、マキアヴェッリが初めて提唱したものではなく、大昔から何度も何度も繰り返し行われてきたことをマキアヴェッリがまとめたに過ぎないものです。美辞麗句を並べるよりも、たとえ冷酷と思われようとやらなければならないことはやるべきだという徹底した現実主義者マキアヴェッリの姿が見えてくるような気がします。 あまり良くない意味でマキャヴェリストという言葉が使われだしたのは、おそらく本書に書かれているモーゼのことが気に入らなかった教会のせいではないでしょうか?(マキアヴェッリの著作は本書しか読んでいないので憶測です。他の著書にその原因があるのかもしれません) 本書、講談社学術文庫版は、本文に入る前に前書きとして、『君主論』が書かれた当時のイタリアの政治情勢やフィレンツェの状況が簡単に説明されているので、マキアヴェッリが、なぜ、誰に対して、どのような思いで書き上げたのか、『君主論』を読み理解するのに多いに役立ちます。欲を言えば、もっともっと詳しい説明解説をつけてほしかったです。
23 人中、20人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
麦酒の苦味に似た味,
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レビュー対象商品: 君主論 (講談社学術文庫) (文庫)
中国や日本の古典は 経営者にもよく引用される。「孫子」「五輪書」「論語」「日暮硯」等 いくらでも例は挙げられる。西洋の古典は 余りビジネス雑誌に出てくる事も無い。その中で 本書は健闘している。 マキャべりというと 元来悪いイメージが付きまとってきたのも日本である。性悪説に基づいた冷徹な「嘘つき」というようなイメージかと思う。僕もご多分に漏れず そんな先入観で一読した。 とんでもない。マキャべりは「人間とはどういう動物か」を語っているに過ぎない。 彼には「人間の善悪」というものは無い。善い悪いは抜きにして ただ 「人間とはそういうものだ」という彼なりの冷静な分析を披露しているに過ぎない。その意味では科学者が実験の結果を報告しているだけと同じだ。但し そこに分析されている人間の姿が 我々にとって 時には辛辣であることが 科学者マキャべり自身の評判を悪くしている。マキャベリにしたら迷惑な話だ。 「いかなる手段も 結果さえよければ必ず正当化される」 「人は恐れている人より 愛情をかけてくれる人を容赦なく傷つける」 こんな言葉は否定出来ない。吉田兼好が読んだら大声で笑って 徒然草に引用したに違い無い。 「辛いのは中傷でなく真実である」とは 誰の言葉だったか忘れた。 マキャべりへの毀誉褒貶の原因は 彼の本に含まれている 苦い真実である。「苦味」が美味しいのは麦酒だけではない。
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