麻々原先生のイラストということで無条件に購入。
なんと幸運なことに内容も好みにドストライクでした!
イラストとの相性も最高。
舞台は大正八年。大阪。下町。博徒→暴力団への変遷の序章?勉強になります。
考証も相当しっかりされたらしく、違和感はなく、描写はどれも興味深く、情緒に溢れています。
伝説の彫り師の唯一の弟子であり、己の体で彫れる場所は全て彫り尽くしてしまった年齢不詳の魔性の彫師:八束。
生まれながらの博徒:源太22歳雄(あ、名前でひかないで!もったいないから。この作品世界ではしっくり来るんです)。
「抱きたいんやったら抱いてもかまへんけど、俺を抱いたらお前には彫らんぞ」
組を理不尽な理由で追い出され、中立である彫師の家にお預けの身となった犬は気ままに主人にじゃれつくんですが軽くいなされちゃう。
八束の体は彫り物で埋め尽くされていて、ちょうど下腹には牡丹が咲いているんです。
それをもろ肌脱いで襲いかかりながら撫で回す源太・・・決してその下には触れずに。
感じながら、源太の肌を美しいと見ほれながらも決して流されない八束。
月に照らされた八束の背中には荒波と緋牡丹を背負った大蛇がのたくり、源太は鬼を従え、閻魔を背負う。
描写がいちいち過剰なまでに艶やかで、イラストも相乗効果で、くらくらしましたよ。
ビバ刺青!
源太は寡黙な美丈夫で、うでっぷしはべらぼうに強いし、賭場ではそのカリスマは最高潮に達して、場を支配してしまう、それはそれは魅力的な男なのですが、それにも増して八束が色気ダダ漏れ過ぎる・・・
もともとしっかりしたお話を書かれる作家さんでしたけど、これは新境地といっていいのでは?
周辺には金魚隠し彫りしたボンボンだの、野ざらしといわれるシャレコウベを彫った附馬屋だの、周辺キャラも盛り上げてくれる。
野心のために若き日の執着を血を吐く思いで振り切ろうとする親分・忠五郎と、つれないぶれない若頭・与助のエピソードも、決して離れることのないメインの二人との対比として効果的。
NGと思われる属性の方
・関西弁
・時代物
・刺青
・言葉責め
「この蛇・・・・・、お前自身なんやな・・・・・・。この、牡丹も・・・・・」
「おまえのこの肌がもっと濡れて赤なったら、蛇はどないなるやろな」
だめだ、抜粋したくてもきりが無い。浅薄な卑猥語の羅列ではない、時代がかった濃厚な空気感をお楽しみ下さい。