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「ダ・ヴィンチ」
#って読んだこと無いのだけれど(^^;
の人気連載「日本テレコム マンスリーエッセイ」をまとめて文庫本にしたものらしい。
日本テレコムがスポンサーだけあって、電話をモチーフにしたエッセイばかりであるが
なかなかしんみり来る話やほのぼの来る話が書かれている。
一人5ページ+スナップ写真と一言と言う構成で、ちょっとした空き時間に数話読める。
実話(らしいもの)あり、フィクションあり、愚痴あり(^^;で楽しめます。
ちなみに執筆陣は、五十音順で、
1 有栖川有栖
2 石坂啓
3 石田衣良
4 五木寛之
5 江國香織
6 大沢在昌
7 大槻ケンヂ
8 大林宣彦
9 乙 一
10 角田光代
11 川上弘美
12 北方謙三
13 北村 薫
14 小池真理子
15 鴻上尚史
16 鷺沢萠
17 重松 清
18 篠田節子
19 鈴木光司
20 瀬名秀明
21 高橋源一郎
22 田口ランディ
23 谷村志穂
24 馳 星周
25 坂東眞砂子
26 藤沢周
27 藤田宜永
28 松岡佑子
29 松尾スズキ
30 宮本 輝
31 村山由佳
32 森 絵都
33 山川健一
34 山本一力
35 山本文緒
36 唯川 恵
37 夢枕 獏
です。
本書「君へ。」はそのNTTに倣ってか、日本テレコムが同じくコミュニケーションを主題に月刊誌上で連載していたエッセイをまとめた一冊です。
その書き手たちはNTTとはうって変わって現代の人気作家・エッセイスト37人。その多くが私が長年読み親しんできた人たちで、大いに堪能させられました。コミュニケーションによって人間が得られるものの味わい深さが、手練れの執筆陣によって一層鮮やかに描き出されています。
書き手の中で私が最も好きな鷺沢萠の作品は、実に彼女らしい、巻頭を飾るに相応しい恋の物語ですし、高橋源一郎が母の言葉を綴った一編には、電車の中で読んでいる最中に不覚にも涙がこぼれそうになって困りました。
日本人は以心伝心の世界で生きることを良しとするために、欧米に比較すると感じたことをそのまま言葉にすることを憚る傾向がどうしても高くなります。
ですが、言わないことで生まれる物語よりも、言葉を交わすことで生まれるドラマの方がずっと味がありそうだ、という気持ちにさせてくれるのがこの本です。
瀬名秀明が書いているエッセイの一文が殊に心に響きました。
「もどかしいと感じるのは、無言であることよりずっといい。」(220頁)
もっと言葉を交わしたい。そのためにももっと言葉を磨きたい。そんな読後感を味わうことができました。
今の私には、高橋源一郎氏の「白紙」がずんと胸に突き刺さったような哀しさを感じてます。「白紙」におけるお母様の話は短い話なのに鮮烈でした。
精神的に疲労を感じた時とか、つい人間不信に陥りそうな時とか、また本書をパラパラとめくってみたいなと読後は思う。人との関わりで感じる気まずさがあっておかしくない、また人と心と心が近く思えた時の嬉しさが本書を読んで思い出せるんじゃないか・・とそんな本でもあると思いました。またまだ読んでなくて人との関係で気まずさを感じてる人にもおすすめの本です。
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