ウルトラシリーズの中でも特に不遇をかこってきた『80』だけに、こうした再評価の試みがようやくにして出てきたのは嬉しいところです。「ウルトラマン先生」を生んだ時代背景やキャラ・ストーリーの魅力、特撮の魅力など、『80』という作品が多面的に考察されています。『80』全体を貫くテーマとして「結ばれない絆」を析出した考察は出色のほか、番組の前面からは1クールで消えた「ウルトラマン先生」の要素が、後の展開でもさまざまな形で最終回まで生き続けている、という指摘も興味深いところです。ただキャスト、スタッフへのインタビューで、思い入れ深い人たちとそうでない人たちとの落差が大きいことを改めて思い知らされ、事実とはいえこれは残念なところですね。
あえて贅沢を言えば、結果的に昭和最後のTVウルトラ作品となった『80』が平成ウルトラシリーズに与えた影響をもっと主題的に解明して欲しかったところでした。これが理解されれば、『80』の再評価はもっと進むはずです。
追記:大反響だった『メビウス』での80客演。これで教師編の謎も解明され、そして二十数年の時を経て真の決着も見られた―『80』の真の最終回だという声も―わけで、このエピソードを受けた増補版を出してもらえたら嬉しいですね。