著者は残業が如何に害悪なのかを指摘しています。
その理由
1.健康を損ねる
2.プライベートな時間がなくなる
3.自己投資の時間がなくなる
4.第二の人生が準備できなくなる。仕事を辞めたとたんにすることがなくなり、家族に邪魔者扱いされることになる。
著者は特に4が最悪の問題だとしています。
定年を迎えても人生は続くのですから。
私も残業のせいで人生を台無しにしたかもしれません。
過剰労働で体を壊して持病持ちになってしまったのです。
さらに自己投資の時間も少ないので、将来が不安で仕方がありません。
残業のない世界があったらどれだけ楽しく過ごせたでしょうか。
本書が指摘するように結局のところ日本企業が病んでいるから残業があるのです。
企業は残業が日本の強みと勘違いし、従業員は残業が当然なので、それに対応してだらだらと働くしかないのです。
残業しないと周囲に白眼視されると言うのもあります。
本書でもっともだと思ったことがいくつかあります。
1.情報を共有化しないと仕事の効率が上がらない。
結論だけを部下に伝えても結論に至るプロセスが不明だとプロジェクトの初動が遅くなる。
2.活気のある騒がしいオフィスは誰も仕事に集中していないだけである。
各社員の仕事分担を明確にしていないから常時会話をしないと仕事ができなくなる。
理想は全員個室で働いてコミュニケーションを最小限にするべきである。
3.強いリーダーとワンマンは別ものである。
強いリーダーは情報を社員と共有して反対意見を聞くが、決断はトップダウンで行う。
ワンマンは情報を自分だけで独占して、反対意見を聞かず、決断は独りよがりである。
私の職場はまさに1,2,3の悪いところが全て当てはまっています。
1と3は、指導者が反対意見を押さえ込むために情報の共有を意図的に拒否するということです。
情報がなければ部下も反対しようがないからです。
もちろん、この方法で決定した方針はたいてい失敗しますが、日本企業はこのパターンが非常に多いと思います。
2は目から鱗が落ちました。
日本企業は異常にコミュニケーション能力ばかりを気にしますが、
社員の業務範囲を明確にしていないから頻繁に他の人とやり取りをしないと仕事が進められないだけなのです。
つまりは、業務範囲を明確にできない無能な管理職が部下に仕事を丸投げにしても、部下のコミュニケーション能力が高ければ仕事は進むのです。
しかし、コミュニケーションが多いと仕事の効率は上がりません。
しかもコミュニケーション能力の高いだけの人が出世することになるので、無能な管理職が増えるのです。
自分自身も休日出勤したときに業務効率が上がることを経験したことがあります。
日本企業の平日は集中して仕事ができる環境ではないのです。
そのため、残業がないと時間が足りないのです。
本当に素晴らしい本ですが、これを実践するのは至難の技です。
吉越氏が非常に優秀な経営者であることがひしひしと伝わってきます。