Dear,こげんた―この子猫を知っていますか?“こげんた事件”からもう七年の年月が経っている。
しかし風化していない。
いや、風化などあり得ない。
それを痛感させられた。
本書は前作『Dear,こげんた』の続編でありながら、続編ではない。
“こげんた事件”で小さくも重い命を無惨に奪われた事に対して悲しみ、憤った人達の新たな軌跡が丁寧に描かれているのだ。
だが、それだけではない。
今回は「何故、動物を虐待したのか?」
そこにも焦点を当てている。
虐待=悪の構図ではなく、虐待の根本を探っているのだ。
実際に虐待した人、虐待を目の当たりにした人からのアンケートが載っている。
また、そこから派生するDVとの関連性も載っている。
同時に、アメリカのシェルターやアニマルコップの話も盛り込まれているが、悲しいかな、先進国と言われる我が国の動物愛護の意識がどれだけ劣っているかを思い知らされる。
地域猫でさえ知られていない。
本書は、前作よりちょっとだけ難しい。
深々と考えさせられるからだ。
易しい言葉で書かれているが、非常に考えさせられる本。
辛く厳しい本でもある。
それが『君はぼくの声になる』だ。
とにかくぎっしりだ。全編丸々深い事この上ない。
なのに巻末に至ってまでも「貴方に出来る50の事」が載っている程だ。
でも、この「貴方に出来る50の事」は些細な事でしかない。
何も難しくない。とても些細で「こんな事でもいいのかな?」と思わされるが、それでいいのだ。
みんなで50項目のうち一つでも実践してくれれば、きっと世の中は変わる。
貴方の胸の中にこげんたが住み着いたのだとしたら、ちょっとだけでも何かを実践してみませんか?
こげんたの声が聞こえたならば、その声を貴方の声に変えてみませんか?
出来る事だけでいい。無理をしなくてもいい。身の丈にあった事をたった一つ実践するだけで、きっと世の中は変わるのだから。