23ヶ月くらい前に一度単行本のほうでレビュー書きました。
それから実に10回以上は読み直し、言い回しのひとつひとつまでほとんど
覚えてしまったくらいにこの本のファンになってます。
歴史物&タイムスリップという小さな括りではこの本の味を語りつくせません。
自分でもなぜ、こんなに何度も読みたくなるのか、何に惹かれるのか
・・・それが徐々に自分なりに理解できたことがありました。
これは一言でいうと物理的な身体の生死という枠組みを越えた
愛の物語であって、つまりは魂の物語なのではないか、と。
主人公である巴、そして義仲や武蔵との深い結びつき、時の代理人とも
いえる阿修羅その後覚明、時の使者となる四郎つまり後の北条義時・・
こういう独自の構想によって、下巻の裏表紙にもあるように
「平家物語」を慟哭のロマンスへ変えていると感じます。
長野県木曾郡日義村に「義仲館」というのがあるのを知り、矢も盾もたまらず
かけつけました。
歴史として残されている展示物を、この本に出てくる巴や義仲を思い浮かべ
ながら食い入るように眺めました。
最初に読んでから、今に至るまで感動が衰えません。
深読みすると著者の筆力がいかにすごいか、それを支える構想がいかに緻密に
ドラマチックに考えられているか今更ながら驚かされます。