愛犬のシーズーを16歳で亡くしたあとの喪失感から、もう二度と犬は飼わないと決意した森さん。しかし元来の犬好きの心が動き出し、再び犬と暮らしたいと考え始めたときに心に浮かんだのが知人の言葉。「もしもいつか犬を飼うなら行き場のない犬の里親になって」。
インターネットでさまざまな保護活動に触れていき、そこから生まれた人と犬との新たな出会いを取材していった。どの犬たちも、もしも現在の飼い主に出会わなければ、たぶんもうこの世にいない運命を背負わされた犬たちばかりだ。身勝手な理由で犬を捨てる人がいる一方で、病気であろうと子連れであろうと、必死で命を救おうとしている人がいる。
森さんは本書の最後で、保健所の殺処分に立会い、その一部始終を自分の目で見た。たいした罪悪感も持たずに気軽に命を捨てる人にこそ立ち会って欲しいと思うのは私だけだろうか?しかし実際はその悲惨な最期を知っている人が懸命に保護活動をしているという皮肉な現実がある。
本書を通して、ペットショップやブリーダーから犬を買うという選択肢のほかに、「行き場のない犬を救う」という選択肢をひとりでも多くの人が持ってくれることを願わずにいられない。そして当たり前のことだが、縁があって出会った命を最後まで看取ること。全ての飼い主がそうしたならば、行き場のない犬なんてこの世からいなくなるはずなのだ。森さんは一目ぼれをした犬を二匹新たな家族に迎え入れ、幸せな犬生活を送っています。