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31 人中、31人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
時を越えて伝わる言葉、“どう生きるか”は英雄の真似をすることではない,
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レビュー対象商品: 君たちはどう生きるか (ジュニア版 吉野源三郎全集) (単行本)
“どう生きるか”或いは“生き方”という言葉に関して、80年代からこれまでは“古代中国や戦国時代の英雄に学べ”とビジネス雑誌(その典型はプ○ジ○ン○)などが声高に叫んでいたこともあり、余り良いイメージを持つことは出来なかった。それでもまだ高校時代に読んでいた文庫本にはそうした“強い者の真似をしろ、そうすれば成功する”との言葉は一言も出てこなかった。前者が成功譚(サクセスストーリーに彩られた手柄話)を目指しているのに対して、この本は“社会の中で生きること”の意味を静かに語り、或いは読者に問い掛けてくる。だから決して“答えは一つ”としてそれを押しつけることなどしない。例えば地方の過疎の町で医療に携わる若者やベテランの医師、海外で農業技術の普及と支援を目的としてその場に生きる人々などは“名も無き人”であることは明白だろう。 社会の中で生きることは“人と人との関係”において生きることであり、決して自らの成功や満足のためにすることではない。“自分の出来ること”で相手が喜んでくれればそれに越したことはない。今から15年前、日本のある都市を大規模な地震が襲い6000人を越す人が命を落とし多くの人が生活を失った時、先ずその場に駆けつけて身を惜しまずに支援活動に携わったのは名もない人達であり、その後の震災では事ある毎に“あの時に助けて貰ったから今度は助ける側に回って何かしたい”との思いがこの国を変えつつある。
115 人中、110人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
大人も読める,もちろん子どもにも薦めるべき,良書,
By hakatanagaishi (岡山県) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 君たちはどう生きるか (岩波文庫) (文庫)
15歳の少年の精神的成長を通じて,世界の中の一人として,あるいは歴史の中の一人として,謙虚に堂々と日々を生きるべきであるということ教え諭す,物語風の啓発書。少年少女向けに書かれたものであり,難解な言葉はまったく用いられていない。残念ながら,私がこの本と出会うことができたのは,少年時代ではなかった。本書に出てくる「おじさん」よりも更に年を取ってからのことだった。この残念な気持ちを再生産しないために,折あれば,若い人たちに本書を薦めていきたいと思う。年配の人たちにも,「若い人に薦めるように」と薦めていきたいと思う。 とはいえ,「少年ではない今の自分ならば分かりきった内容であった」というわけでもない。恥ずかしながら,思い直させられることが多かった。最初はおじさんの立場になって読んでいたのが,いつしかコペル君の立場で読まされていた。例えば,「この世の全てのものが関わりあっている」ということについて,既に理解していたような気でいたが,コペル君の素朴で日常的な思考を通して,改めてその事実の大切さを感じさせられた。
42 人中、39人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
普遍的メッセージ,
By 自在(じざい) (神奈川県) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 君たちはどう生きるか (岩波文庫) (文庫)
中学2年生の「コペル君」が、学校の友人や「叔父さん」とのふれあいの中で一歩一歩成長していく物語である。親しみやすい文体にこめられた内容は密度の濃いものだ。認識の主観性と客観性、人間同士のネットワーク的つながり、貧しい友人との関係、ナポレオンと歴史における偉大さの意味、過ちと苦悩からの昇華、そして自己の人生に対する決意。これらのことがコペル君の身近で起こる現象と密接に絡み合いながら、叔父さんのノートという形で提示される。コペル君の経験はかなり普遍性があるがゆえに、読み進むにつれて身につまされてしまう。人間に関する基本的な問題を著者は直視しているからだ。そのゆえにこそ本書は心を打つ。
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