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向田邦子全集〈1〉小説1 思い出トランプ
 
 

向田邦子全集〈1〉小説1 思い出トランプ [単行本]

向田 邦子
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

直木賞受賞作をふくむ傑作短篇集。小説13篇を収録。

登録情報

  • 単行本: 215ページ
  • 出版社: 文藝春秋; 新版 (2009/04)
  • ISBN-10: 4166416804
  • ISBN-13: 978-4166416806
  • 発売日: 2009/04
  • 商品の寸法: 19 x 13 x 2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (1 カスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 367,037位 (本のベストセラーを見る)
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形式:単行本
たとえば新築のマンションだったとしても、
住んでいくうちに次第と壁は黄ばみ、
いつのまにか床に傷がつき、どことなく汚れやほこりがたまっていくもの。
いつまでもきれいだと思っていたのに、そんなわけはない。
目を凝らせば経年の後。

向田邦子の「思い出トランプ」に収録された話はどれも、
その「ガタ」に気づくことのようなものだ。
最近のベストセラーによくあるようなドラマティックな悪意ではないけれど、
知らず知らずのうちに身に付いた悪意がふと顔を出し、
それはじわりじわりと広がっていくシミのように、
消せるかもしれないが、そこはかとなく跡が残る。

「だらだら坂」、「男眉」や「花の名前」など、
どれもその悪意的なものが顔を出す。
「三枚肉」でもそうだ。主人公の自分だけがどうやら阻害されている。
自分の知らない妻の顔がある。「かわうそ」なんてもっと怖い。
「大根の月」はなかでもドラマティックかもしれないが、
昼の空にある月を夫婦の会話に登場させるすべ、
「りんごの皮」は話のキーをりんごではなく、その皮に託す巧さに思わずうなる。

よく、近頃の小説が半径数メートルのことしか書いていないと
批判的に言われることがあるようだが、
向田邦子の話も実はそうだと思う。
ただ、その他多くの作品と一線を画しているように思えるのは、
「私」という個をアピールするブログ的展開とは違い、
ひとりを主人公にしながらどれもその
“悪意”に私たちが“身に覚え”を感じるからなのではないか。
全集の1冊目を読んで、そう感じた。
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