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名短篇ほりだしもの (ちくま文庫)
 
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名短篇ほりだしもの (ちくま文庫) [文庫]

北村 薫 , 宮部 みゆき
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

「過呼吸になりそうなほど怖かった!」と宮部みゆきが思わず口にした、ほりだしものの名短篇!宮沢章夫「だめに向かって」、片岡義男「吹いていく風のバラッド」、内田百〓(けん)「亀鳴くや」、久野豊彦「虎に化ける」、伊藤人譽「穴の底」、織田作之助「天衣無縫」など、目利き二人を震わせた短篇が勢揃い。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

北村 薫
作家

宮部 みゆき
作家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 354ページ
  • 出版社: 筑摩書房 (2011/1/8)
  • ISBN-10: 4480427937
  • ISBN-13: 978-4480427939
  • 発売日: 2011/1/8
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.4 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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By 東の風 トップ100レビュアー VINE™ メンバー
 『とっておき名短篇 (ちくま文庫)』に続く姉妹篇のアンソロジー。収録作品全体の面白さという点では『とっておき名短篇』と比べて落ちる気がしましたけれど、本文庫には嬉しい出会いと、「えっ!」という驚きがありました。

 嬉しい出会いというのは、このアンソロジーで初めて読んだ伊藤人譽(いとう ひとよ)の作品を読めたこと。「穴の底」「落ちてくる!」の二篇が収められているんですが、いずれも、絶体絶命の状況下にある主人公の焦り、不安が、作品のテーマになっています。ウィリアム・アイリッシュ(コーネル・ウールリッチ)の短編小説を、幻想、ホラー風に仕立てたらこうもあろうか、というような味わいの短篇。なかでも、窮地から逃れようと必死になる主人公の男の行動と心理に、ぞくぞくするサスペンスを感じた「穴の底」が出色の逸品。いやあ、ここで読まなければ、おそらく一生出会うことはなかっただろう作品。紹介してくださった北村薫さんに感謝です!

 片や、「えっ!」という驚きを味わったのは、宮部みゆきさんとの解説対談の席上、作品の謎に絡む北村さんの発言に触れた時でした。作品は、石川桂郎(いしかわ けいろう)の「少年」。この短篇のある謎をめぐって、宮部さんと北村さんが違う受け止め方をしている。私は、宮部さんとおんなじことを考えていた。でも、北村さんの解釈を聞くと、「そう推測したほうが、この作品の奥行きは深くなるかも」と、そう思ったですね。果たして、作者はどう考えてこの謎を提出したのか。北村さんの解釈が合っているかどうか、この作品からだけでは判断できません。謎は謎のまま残る。でも、こんなふうに解釈すると、作品に違った側面が生まれ、深みが増すと知って、何か得をした気持ちになりました。

 本文庫の収録作品は、以下のとおり。
  宮沢章夫「だめに向かって」
  宮沢章夫「探さないでください」
  片岡義男「吹いていく風のバラッド」より『12』『16』
  中村正常(まさつね)「日曜日のホテルの電話」
  中村正常「幸福な結婚」
  中村正常「三人のウルトラ・マダム」
  石川桂郎「剃刀日記」より『序』『蝶』『炭』『薔薇』『指輪』
  石川桂郎「少年」
  芥川龍之介「カルメン」
  志賀直哉「イヅク川」
  内田百けん「亀鳴くや」
  里見とん「小坪の漁師」
  久野(くの)豊彦「虎に化ける」
  尾崎士郎「中村遊廓」
  伊藤人譽「穴の底」
  伊藤人譽「落ちてくる!」
  織田作之助「探し人」
  織田作之助「人情噺」
  織田作之助「天衣無縫」
 おしまいに、編者の北村薫、宮部みゆきの解説対談「過呼吸になりそうなほど怖かった!」(於 山の上ホテル 2010.9.28)
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3 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ringmoo トップ500レビュアー
この文庫本のアンソロジーに付けられたタイトルが、「ほりだしもの」。よくぞ、ここまでぴったりのタイトルを付けたものだと思います。

一つには、宮沢章夫・中村正常・石川桂郎・久野豊彦・伊藤人譽と言った、今まで読んだことどころか、名前も知らなかった作品が読めたことです。

更に、もう一つは、芥川龍之介の「カルメン」などの様に、著名な作者の隠れた名作が読めた事です。
中でも、織田作之助の作品が三篇選ばれていますが、どれも素晴らしい出来で人情味豊かな話になっており、読後にほんのりとした心の安らぎを感じさせてくれました。

読んだことが無かったが、その悪品の素晴らしさに、もっと読みたくなったのは、伊藤人譽です。
この中には、「穴の底」「落ちてくる!」の二作品が載っていますが、穏やかな言葉の影に、「怖さ」さえ感じさせられました。

これで、シリーズ4冊目になりますが、今後もほとんど目に触れなかったこうした素晴らしいの企画を続けて欲しいものです。
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