南方熊楠についての予備知識をほとんど持たず、
読んだのがよかったのでしょうか。堪能しました。
熊楠が、バンカラの『シャーロック・ホームズ』よろしく、
博覧強記を武器に、孫文誘拐事件や、コンウォール、ストーンヘンジ
で起こる事件をつぎつぎに解決するのですが、往時のロンドン、
そしてイギリスの雰囲気が生き生きと伝わってきて、あたかも、自分が
クマグスと一緒に、パブのカウンターでビールを飲み、列車に揺られて旅し、
ストーンヘンジの巨石を前に腕組みして、事件の解決に当たっているような
気分にさせられます。たまたま風邪を引いて臥せっていたのですが、
床の中でついつい読みふけりました。
こういう楽しい小説を、東郷隆さん、もっともっと書いてくださいね。