「戦争の目的が全面戦争であり、手段・方法が総力戦となれば、戦争の様相は凄惨なものになるのは必然だった。それは騎士道を失った戦争であり、軍と軍の戦いというよりは、二つの社会の間の決闘となった」。
紀元前480年のサラミスの海戦(本書のあとがきでは「紀元前600年からの」とあるが正しくない)から、アメリカ南北戦争までの間の28の戦いを選んで、戦術面を中心に解説している。著者は、元自衛隊陸将補。
どこかの公共放送の番組であったような、ポイントでの戦術選択をクイズ形式にしているところが特徴。文庫本というサイズの制限もあり、すごく深いというレベルではない。ただ、軍事の専門家だけあって、それなりに面白く読める内容に仕上がっている。海戦と野戦が中心である。
日本が直接関係する戦いは扱っていないが、賛否が分かれそうな現代の日本に対する刺激の強いコメントが時々登場する。それから、地図が簡単すぎて、もうひとつわかりにくいところがある。せめて布陣くらいはもう少し載せて欲しかった。