どれも私が生まれる前に発売されたものですが、父親の持っていた78回転のSPレコードで聴いた曲や、戦後LPレコードで復刻された曲、そして「思い出のメロディ」の番組で聴いた曲など知っていたのも相当あって大変懐かしくそして興味深く聴きました。
モノラル音源ですので、ナローレンジです。それゆえ、どこか遠くから時空間を超えて、現代にたどりついたように聞こえました。「歌は世に連れ、世は歌に連れ」といいますが、当時の世相の反映だけでなく、人々の心の支えになってきた、という存在感がこの当時の曲にはありました。
今でも様々な歌手が取り上げている「蘇州夜曲」は、渡辺はま子の歌唱で知っていましたが、霧島昇が2番を歌っていたのですね。昭和の名詩人西條八十の傑作で、服部良一が書いた戦前の名バラードです。
笠置シズ子の「買物ブギー」は今聴いても凄い曲ですね。まさしく大阪弁のラップです。村雨まさをの歌詞も笑いますが、それにブギの曲をつけた服部良一の能力に感服します。大阪弁の独特のイントネーションとリズムを生かしたメロディの付け方の巧みさは大阪出身の服部良一ならではのものです。
50曲収録とかなりの曲を網羅した企画です。コロンビア専属歌手のものだけですので、ビクターの専属やそれ以外のレーベルのものは収録されていませんが、当時を知るよすがになる貴重3枚組だったと思います。32頁のリーフレットに歌詞や演奏時間等の情報はあるのですが、発売年月が記載してあればとても参考になるのですが。そして無理は承知として解説も書いていただくと価値がぐっと上がると思いました。