「幸せ」意外はすべて経験した。
この言葉は『名前の無い女たち2』の帯に書かれてる宣伝文句。
なかなかショッキングなキャッチコピーだなーなんて思うんですけど、この本の内容のすごさから、あながち誇張でもないなーなんて思うわけです。
この本は企画AV女優のインタビューとそれにまつわるルポタージュで構成されているんです。
この本に出てくる女性たちは、当然ながら裸と性を売り物にしている人たちなんですよね。で、彼女たちの多くは自分の仕事に対して誇りを持っている。自信を持っているって答えてるんですけど、作者がインタビューを続けていくうちに、その態度が徐々に変わり始める。
この作者、残酷なまでに女性たちの核心に迫っていきます。どんどん女性たちの虚勢の鎧をはいでいって本心をむき出しにしていく過程は壮絶です。
やくざな世界に身をおき、その中で自分の感覚を腐らせてしまった女性、本心とは裏腹に、その世界でしか生きられなくなった女性、リストカットする変わりにビデオに出演し自らを苦しめる(自称する)女性。
読んでいて気分が悪くなることがあります。それでも読ませてしまう作者の文章がすごいです。
この作者、風俗の世界に身をおきながら、風俗というものをひどく嫌っているように見受けられる。もしかしたら、その手のものに接触していない人間よりもさらにまともなんではないかと思わせます。そんな人が中から眺めるアダルトビデオの世界、人間の弱さを実感させられます。