私は、AVには出演したことのない一般女性ですが、彼女たちと何が違うの?と言われると、
分からない、と思います。
いつ、「そちら側」にいくか分からない。あるいは、境界線すらない、と思います。
現代社会のひずみの中で、私たちは皆、疲れています。自分を守ることに必死で、
お金を稼ぐことに必死です。
自分の親族や、夫や、子供、そんな、世間から見たらとても狭い範囲の人間を、
守るために、あるいはそれらから受けたトラウマから逃れるために、
さまざまな悲痛さ、残酷さ、異常さを放つ彼女たち。
とても、人間らしいルポルタージュだと思います。
多少、雑誌掲載時のなごりで、読者の興味を引きたいだけの派手な感じの題名や
デザインの下品さもありますが、私が本書から受けたのはとても静かな印象です。
著者の目には、度を越した同情も、嫌悪も、好感情もなく、
淡淡としています。
AV女優の特集だからと言って、裸の写真や卑猥な表現は一切ありません。
あるのは、私たちと変わらない、人間の赤裸々な姿。
作者の前で暴かれた彼女たちの素顔は、とても人間臭いです。