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名もなき毒
 
 

名もなき毒 [単行本]

宮部 みゆき
5つ星のうち 3.9  レビューをすべて見る (103件のカスタマーレビュー)

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第41回(2007年) 吉川英治文学賞受賞

内容(「BOOK」データベースより)

どこにいたって、怖いものや汚いものには遭遇する。それが生きることだ。財閥企業で社内報を編集する杉村三郎は、トラブルを起こした女性アシスタントの身上調査のため、私立探偵・北見のもとを訪れる。そこで出会ったのは、連続無差別毒殺事件で祖父を亡くしたという女子高生だった。

登録情報

  • 単行本: 489ページ
  • 出版社: 幻冬舎 (2006/08)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4344012143
  • ISBN-13: 978-4344012141
  • 発売日: 2006/08
  • 商品の寸法: 19 x 13.8 x 3.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.9  レビューをすべて見る (103件のカスタマーレビュー)
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13 人中、13人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0 好みの問題ですが, 2007/1/31
By 
シロフォン - レビューをすべて見る
(トップ1000レビュアー)   
レビュー対象商品: 名もなき毒 (単行本)
この作品のレビューを書くにあたっては、主人公・杉村三郎とその妻について触れなければなるまい。刊行時の新聞インタビューで宮部氏が、「将来的には現代ものの長編はこのシリーズだけに絞りたい」と答えていたのだから尚更である。

しかし・・・前作『誰か』で感じたこの夫婦、とりわけ杉村への違和感を本作でもぬぐうことはできなかった。『誰か』でも思ったのだが、北村薫作品の登場人物のよう。北村作品では慣れているが、宮部氏の小説に出てくるとどうもしっくり来ない。

無差別型殺人、不可解で強烈な悪意、土壌に潜む毒、人の心と身体を蝕む毒・・・納得しようのない事件が頻発する昨今、それに挑んだ意欲は買う。また、そうした事件や現象をこれまでの方法論で描き、すっきりとした着地点をもつ小説に仕上げることがむつかしい(小説としては座りがいいが、現実に対しては不誠実だろう)ということも少しはわかるつもりだ。でも、この夫婦が事件に関わり、事件を語ることにより、はがゆい感じばかりが残ったのは確かだ。別の人間が語っていたら、同じ物語でも違う着地点(小説内での)を示していたであろうし、そちらの方を読みたい気がしてしまった。また、宮部作品の魅力、頼もしい脇役や、ホロっとさせられるエピソードなどが生きていないようにも感じた。

次作で杉村は「探偵」になるという。これまでの2作における杉村のじれったさが、名探偵(?)へと驚くべき変貌を遂げることへの伏線であってほしいとさえ思う。

以上、杉村に否定的なコメントを連ねてしまったが、全く個人的な好みに過ぎず、もちろんつまらない小説ではないと念のため書き加えておく。タイトルもいい(また否定的コメントのようだが、タイトルが一番印象深かった)。
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22 人中、20人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 シリーズ次作に注目したいです, 2007/1/31
By 
chaika - レビューをすべて見る
(VINEメンバー)   
レビュー対象商品: 名もなき毒 (単行本)
元々、宮部さんは一見小物なようで実はかえってそこがたちが悪い、

という悪を描くのが上手いよな、と思っていました。

たとえば「今夜は眠れない」で

誰からも愛されるよい子ちゃんの見本のようだった女の子の

ジコチューぶりが最後に暴露されたときは喝采ものでした。

私は「誰か」よりこちらが好きでした。「誰か」のときは

杉村一家がちょっとリアリティがないぐらい

メルヘンチックに描かれていたのと、依頼人の姉妹がさいごまで

どちらも好きになれなかったので、あまり感情移入できないのがちょっと、だったのですが、

今回、ついに杉村家も怪しくなってきたので逆に興味をそそられています。

途中購入した家の環境調査に

躊躇なく大金を使う菜穂子に違和感を感じる場面からはじまり、

結局その家を今度はなんの躊躇もなく手放すという菜穂子に

夫の杉村一郎が引っかかっている、という箇所が詳細に語られているので

これは今後(絶対続編がまたあると思いますが)

伏線になるのだろうな、と思いました。

それにしてもこの作品での「困ったちゃん」女性はこわかったです。

一応毒殺事件の話なのに毒殺犯人は

ぜんぜんどうでも良く、この女性のインパクトが強かった。

名もない毒ではありますが、この種の毒はたしかに

世の中に増えていってると思います。

ただ、宮部さんが上手いのは、杉村一郎の「逆玉」状況に対して

大なり小なり毒のある発言をせずにいられない人々も

また「毒」なのだ、ということもちゃんと表現していることですね。

「火車」「理由」みたいに一気に読ませる力はないのですが、通勤の時など細切れな時間につらつら読むには適している良品だと思います。
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5 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 人間社会が生み出す「毒」, 2009/7/7
By 
ringmoo (愛知県高浜市) - レビューをすべて見る
(トップ500レビュアー)   
人間社会或いは人間関係が生み出している「毒」。
それは、格差社会から生まれるものかも知れないし、もっと別の社会システムから生み出されるものかも知れません。
そうした「毒」に侵されて、社会の中に溶け込めない人たちが増えているのかも知れません。
毎日の新聞を読んでいると、ふとそんな気がしてきます。

もともとがそんな「毒」が元で引き起こされた事件だけに、何のトリックもありません。
従って、所謂「推理小説」の面白さを求めてはいけません。
むしろ、社会問題を扱った「一般小説」或いはせいぜい「犯罪小説」と言うところでしょう。

でも、ストーリー・テラーである作者の力を遺憾なく発揮して、読ませる小説になっています。
結構長い小説なのですが、ノン・ストップで読みたくなる小説です。
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