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そして、また改めて思った事が、曲の殆どがマイナー調の曲で占められているという驚きだ。「歌人」の時も思ったが、本当に短調の曲ばかりが占められ、歌詞もどこか儚かったり、自虐的な部分もあるのだが、不思議と聴いていても憂鬱な気分にはならない。寧ろ根拠の無い郷愁感を感じる。それは、彼のアルバムに多く飾られる切り絵にしても言えることなのだろうが、これが彼独特の説明のつかない世界観なのかもしれない。
80年代初期から、早くも歌手としての長いキャリアを重ねたと聞く。80年代と言えば、他のレビューでも書いたけど、フォークが完全に下火になって、アイドル歌謡、デジタル楽器を駆使したロックが邦楽を席巻した時代だったが、そういう時代を顧るとやはり彼のような曲作りは、本当に独特だったのだなと感じる。しかも、フォークと言えばフォーク、でも単なるフォークでも無い気がする。だけど演歌とも違う。加えてポップ色も交じったりもする。曲作りでさえも特定のジャンルとして説明するのは難しい。
でも、一つだけ言えるのは、この素晴らしいメロディーは正に、日本固有のものであり、永年にわたって語り継ぎ、普遍的に万国に誇れるメロディーだと自信を持って言えそうだ。
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