同潤会大塚女史アパートメントが2003年に解体されるまでの建築家および建設業関連の団体が行った保存運動の記録と反省です。
何故この建物が文化的に意義の有る建築物なのかを説明する為、前半は建設の背景および50年間の内外部の暮しの変遷について述べられています。
後半は東京都による解体決定後、なんとか保存、再利用の活路を見出そうとした建築家達の苦闘の記録です。
文化的に価値が有るか無いか、その評価すら受けることなく経済的判断で解体されてしまった歴史有る建物を惜しむ建築家達の嘆きの記録です。
その経済的判断ですら妥当であったか疑問であり、結果解体後5年以上も更地のまま放置されるという事態となりました。
国が決めたことだから、都が決めたことだから仕方がないで済まさない。誰が決定してこの結論に達したのかをキチンと把握し記録する事はたいへんに有意義な事であると感じました。
膨大な活動の記録を統一感を持たせる為か各章を担当者がダイジェストのようにまとめていますが、惜しむらくは文章がやや練れておらず少々読みにくさを感じました。