第7巻は、42〜48話。主人公・剛士とヒロイン・鈴音の不本意な別離を基軸に描かれている。
剛士の幼なじみである秋津楓が第5巻の登場後にヒロイン格として一角を担うようになり、この巻において剛士にとって非常に重要な位置に付いた。しかし、彼女の家が近所で、剛士とは幼稚園時代からの幼なじみである割には、剛士の父が、彼女の親族が政治家であることは初耳だったなど、細部を検証すれば一部に設定的な破綻も垣間える。
また、今巻の同棲解消騒動の背景・事情についてだが、事業者と政治家の開発利権、それに反対する市民活動と言ったような世情的には腐朽な内容となっていて、第6巻まで感じられた、「女子高生」などに代表される大島氏特有の緻密な取材と情報分析によって織りなすユーモアで、痛快な最先端社会風刺の色は封じられてしまった感じがしてしまい、出尽くした陳腐なラブコメと言った感が否めないのも事実だ。ただ、この点については、今巻が極めてシリアスな話で大部分を占めているためなのかも知れない。
ちなみに、話の流れ上、鈴音に想いを寄せる柊虎太郎が大きく活躍し、一方で前巻までザ・大島流キャラとも言うべき、竹内美穂子や松代隆生などの名バイプレイヤーは殆ど出番を失っているなど、キャラを通じた大島流作風が見えにくかったかもしれない。「女子高生」来の大島永遠ファンにとっては、評価が分かれるところではないだろうか。
そういった意味で、今巻については★3とさせて頂いた。
最終巻である次巻では、大島氏の特長を最大限に活かしたエピソードで、剛士・鈴音の同棲騒動に大団円をもって迎えて欲しいところである。