通訳をやっていて常々感じていたのは 練習では訳せるのになぜ生きた会話を訳すのが難しいのかということ、そして、練習の日本語原文は筋がとおっているけれど 訳さなければならない原発言の日本語はいかに筋がとおっていないか?それが一瞬にしてわからなければ 訳せないということ。 少し経験の豊かな、あるいは訳出すべき言語(わたしの場合はロシア語だが)を自在に使えるネイティヴが訳すときには 必ずしも語順やでてきた言葉が全部裏返しになっているわけではない、ということ、訳しやすい順に並べ替えたり、訳出する言語にしたときに筋がとおるように主語や 動詞をおぎなったりしているということに気づいた。そういう 日本語から日本語への翻訳がまず必要なのだということを 丁寧にわかりやすく段階を追って説明し、ここまでがすらすら行かなければ 基礎力の不足なので基礎をやり直してくださいとまで 親切な助言がでている。 典型的なそしてよくある日本語の言い回し例を集めてアル点でも参考になり、日本語から 英語以外の言語への通訳にも 役立つ アプローチが示唆されていて 興味深い。通訳はできるだけ手短に原発言者の意向をつたえ、 相手の反応を素早く引き出すことも会議などでは重要な課題であるだけに 日本語から、筋の通った日本語へ それから 訳せる日本語へ という手口には是非習熟したいところ。その糸口をつけてくれる良書。