銀行員生活の後半の20年以上のほとんどを、たった一人の裏社会の大物との交流と、それを通じた銀行サイドの汚れ役としての仕事で費やした一人の銀行員。
彼が著者のインタビューに答えて語った内容は、なんとも正直で誠実で、しかるがゆえに赤裸々な告白になっています。
そこにはいまさらながら驚くべき真実が明らかにされています。
大阪の戦後経済や社会構造に潜む同和問題や暴力団、裏社会の厳然たる勢力図。
それら闇社会が、大阪府や市、警察、検察、国税局、そして大銀行といったおもての権力と切っても切れない複雑で込み入った癒着関係を維持し、それを公然たる秘密として隠蔽してきたという長い歴史・・・
それにしても、なんと多くの複雑怪奇で根の深い、大阪の政治や経済の問題の本質が、そこに見えることでしょう。
しかも、普通のまじめなサラリーマンが、普通に清濁併せのんで、世の中の仕組みの中でたまたま自分に与えられた役目を果たしただけとも見える、その日々のごく日常的な出来事の折々に、世間を驚かした大金融犯罪やバブル時代の恐ろしい事件が、いくつも起こっていた・・
本書は、あまたある銀行暴露本や金融スキャンダルの裏側解説本ではありません。
日本の金融の本質に潜むいまだ誰も解答を見いだせていない、実に重たい難問を、あらためて突き付けるような大変な問題提起を投げかけています。