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本書は「吉野家の経済学」という題名で伊藤元重氏が経済的視点からコメントを随所に乗せているが、欲を言えばもっとストレートに経営学の視点からコメントされていると良かった。たとえば野中郁次郎氏が展開している知識創造企業の視点からコメントがあるというのはどうか。もし続編「吉野家の経営学」なんていうのがでたら買うと思う。
一方、土地や建物の代わりに何を持つのか。「吉野家の経済学」で描かれる吉野家の経営では、ノウハウの取得に賭ける執念を感じる。そして、そのノウハウを貫徹させるための強い意思を。取得したノウハウを活かすための、店舗あるいは業務、そして事業領域の標準化への強い意思を感じるのである。吉野家の経営学では、280円の牛丼を実現するために、非常に細かい部分までおろそかにはしない検討とその結果の合理性が潜んでいる。それはまさに、プロジェクトXの世界である。
しかし、現実は増加する来店客に対応するために、冷蔵庫をはじめ様々なことを変えていかなくてはならない。なぜ、現状でも十分利益が上がっているにもかかわらず、そこまでする必要があるのかと思ったが、読み進めるうちに順調なときほど現状打破が必要であり、また、可能であることがわかった。
吉野家も経験したことであるが、追い詰められてからの改革と、余裕があるうちの改革では全く違う。今こそ前向きな改革が必要だ。
吉野家というケーススタディを使って、個人商店からいかに年... 続きを読む
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