「ジャズに小難しいお勉強はいらない」「自分の好きな曲を好きなように聴けばよい」という寺島の一貫した主張は、一見正論に聞こえるが、「自分の理解できないものにチャレンジする」といった向上心を否定することにも繋がる。
「この演奏は、今の自分には全く理解できないが、これだけ多くの人の古くからの支持を得ているのだから、きっと素晴らしいものに違いない」といった発想は、寺島には無縁のことなんですね。「美しいメロディがいい」「聴きやすいスタンダード・ジャズがいい」って、長年こればっかりなんですから。
例えば私はブルーノートが好きだが、セシル・テイラーは全く理解できない(泣)。でもそれは私の理解力、センスが乏しいだけで、テイラーは才能に溢れた素晴らしいジャズマンなんだろうな、とは思う。
結局この人は、現状の自分に100%満足しているナルシスト(自分のことを「お洒落な中年男」と呼んでいます)なんですね。自分にとって耳障りのよいジャズを聴いていれば、それでいいっていう人なんだな。