私の吉祥寺論と違うな、というのが一読しての印象。三浦氏の分析は面白いのだが、80年代に渋谷の街の魅力を語る時に、よく持ち出された理屈と重なる部分が多い。無論、三浦氏はパルコ出版出身であり、渋谷についても熟知しているからこの本も書けたのだろう。だが、どうしても80年代の渋谷論の延長にあり、少々、アナクロな気がしてならないのだ。
というのも、今、最も栄えているのは、東京駅、六本木、梅田駅、名古屋駅、お台場など、大型開発が行われた街だ。渋谷、吉祥寺など、大型開発が少なく、ストリート沿いに発展し、個性的な路面店が軒を連ねる街は、むしろ衰退傾向にある。80年代は兎も角、高齢化した現在、街歩きは中々疲れるもの。大型開発の前に、路面店の敗北は明白だと考える。私は、街を再生し、更に繁栄させるためには、大型開発しかないと考える。