『百瀬、こっちを向いて。』以来 氏のファンです。
一応恋愛小説に分類されているようですが、それだけではない 友情、ミステリー小説としても秀逸
交換日記からを巡る繋がりを描いた『交換日記はじめました!』
『百瀬・・』 や『小梅が通る』を想起させる甘酸っぱい思春期の男子の心情の揺れを巧みな筆致で捉えた『三角形はこわさないでおく』
ミステリー要素を盛り込んだ『ラクガキをめぐる冒険』と表題作『吉祥寺の朝比奈くん』
おなかがなることが悩みの主人公のちょっと不思議な話『うるさいおなか』
個人的には『三角形は〜』が一番好きです。数学、おにぎりの三角、即興屋根の三角、紙吹雪の三角、ぼくときみと彼女を巡る三角。抒情的ではありますが一番お腹にたまりました
次が『ラクガキ〜』です こちらは伏線の回収の仕方がツボでした
『吉祥の朝比奈くん』だけ不倫から始まるお話ということで五つなかでは少し浮いていましたが、ドロドロしたものでは全くないです
敢えて難を言うなら、ちょっと時々くさいかなあ〜っというのはありましたが笑 青春期の男女の物語なのでそれもご愛敬ということで。
小難しい言葉を避け、易しくも強度のある 多くの人にとってリーダブルな文章は、何よりストーリー、キャラクターに集中できる。決して独り善がりの実験的な奇を衒った文体を使うわけでもない作者の姿勢に感服。
何より その文章に確か感じる ぬくもり。
まだまだ出会って日の浅い作家さんですが ずっと読んでいきたいと思う作家さんのひとりです。