短編集。すべて過去に読んだことがあると気付く。
「Fly boy, in the sky」(1984)名作「Banana Fish」の原点。昔の親友と出会ったような懐かしさに胸が騒ぐ。
「十三夜荘奇談」(1981)ナゾの同居人との束の間の共同生活。メルヘンに近いが、よくあるパターンだ。
「ジュリエットの海」(1982)描線が吉田秋生だから読めるが、これは一層ステレオタイプな物語。感動の押し売りに今なお多用されるパターン。
「風の歌うたい」(1980)メルヘンなので大目にみるべきかもしれないが、これでは都合が良すぎはしないか。夢見がちな女の子なら騙せても….
「夢みる頃をすぎても」(1982)花の小悪魔女子大生。われわれオトコは所詮生涯3Kなのである(飾り、金づる、カバン持ち)。
「夏の終わりに…」(1978)オジさんと姪とは3親等(本当のおじさんではないのかな)。紙の上でこそまともにみえるが、現実ならとんだスキャンダル。
後年の中性的な秀作群には及ばない。しかし、この人の描線はすでに魅力的。私は絵で読まされた。