北海道大学農学部畜産学科卒業で、日本屈指のチーズ職人とくれば、エリート街道まっしぐらかと思ってしまいますが、そんなに甘くないのが世の中です。
吉田さんは、探検部に入りたくて北大を志し、授業が楽だという理由で畜産学科を選びました。大学を卒業するまで、酪農やチーズ作りを職業とすることなど考えたこともなかった吉田さんが、どのようにして日本で最も有名なチーズ職人となったのか。本書に描かれるのは、現代版「ゲゲゲの女房」とでも言える物語です。
牛の世話から、草刈り、牧草の管理、牧草地の石ころの除去まで、すべて自分の手で行なうことが、最高の品質のチーズを作ることにつながるというこだわりに脱帽します。
「ぼくはこれからも、牧草地を整備して牛の世話をし、乳を搾ってチーズを作るという終りのない仕事を続けていくでしょう。そして、いつも愉快で楽しいことはないかと探し回り、常に楽しいことに挑戦し続けます。」
吉田さんの作るチーズをどうしても食べてみたくなりました。