桂米朝一門の中で一番桂米朝師匠の芸を正当に受け継ぎ、
米朝一門だけでなく、上方落語界の将来も、
嘱望されていた吉朝師匠。
それなのに平成17年11月8日にこの世を去った桂吉朝師匠、享年50歳。
枝雀師匠に続き有望な弟子に去られた米朝師匠の嘆きを昨日のように思い出す。
この『吉朝庵 桂吉朝夢ばなし』は上田康介という
吉朝さんの一人息子がゆかりの人にインタビューしたものを集めた
吉朝ファンにはたまらないものである。
生まれてから亡くなるまでの吉朝さんに会える。
イタズラ好きの吉朝さん
(芝居で使う白髪のカツラを被って運転免許証用の写真におさまる姿は笑えた)
落語だけでなく色々な古典芸能に興味をしめして自分のものにしていく、
どんよくな吉朝さん。
本業の落語では米朝師匠もうならせた
「ふぐ鍋」を演ってみせた吉朝さん。
弟子も取るようになり立派な師匠になっていく吉朝さん。
前途洋々の吉朝さんに病魔が襲いかかる。
最初は読んでいるのが楽しくて仕方なかったが、
もう充分わかっていることだが、
亡くなったことを再認識させられて最後の方は涙が出た。
読み終えて、二日後にこの本の特典として付いているCDで
「くっしゃみ講釈」と「深山隠れ」を聴いたが、
本当に惜しい人を亡くしたとつくづく思った。
最後に米朝事務所さんへ、
もっと吉朝師匠の落語をCDで出してください。
少しぐらい音声が悪くても大丈夫です。
お願いします。