ホラー、美少女漫画などで知られる千之ナイフ先生の、初の本格時代漫画です。
本を開いた瞬間「何これ、凄い!きれい…」という印象です。
着物一枚、かんざし一本に至るまで美しいディテールで彩られた、幻想的な江戸吉原の物語。
千之ナイフ氏の著作は他にも読んで来ましたが、これ程までに臨場感のある、美しい、華麗を極めた作品は無かったのではと思います。
ストーリーも、遊女の成長物語、滑稽譚、怪談ミステリー、と幅広く収録されてますが、
中でも「吉原の客達を癒す、”菩薩の心”」が出てくるくだりは現代の私達にも深く響くものがあると思います。個人的には、「羅生門河岸雪色慕情(らしょうもんがしゆきいろぼじょう)」の遊女、「菊川」の粋でクールで情け深い生き様が好きです。
とにかく眺めているだけで面白いです。細やかな描き込みに思わずその遊郭を見てきたかのような気分にさせてくれます。
遊郭ものなのでもちろん濡れ場は出てきますが、女性ファンも多くキレイな描き方をされている氏の作品なので、女性にもお薦めです。