花魁葛城の失踪事件の真相を追うインタビューで構成されてゆきます。この構成が素晴らしく、上質のミステリーとして読むことが出来ます。
失踪事件の様子や理由を追求してゆくというだけでなく、この事件がどういうものなのかもなかなか明らかになってきません。インタビューが進む中で、葛城の人となりや、彼女を取り巻く人たちが徐々に明らかになってきます。そして、この一つ一つのすべてが、この失踪事件に必要欠くべからざるものであったことが、最後になって解ります。
それとこの本の素晴らしいところは、このインタビューの中で、吉原のシステムや、役どころが、知識がなくても解るような仕掛けになっているところです。こうした特殊な場所を舞台にした小説は、その仕組みや人間関係が掴みにくいケースがあるのですが、この本では、その心配は全くありません。