吉原(通称なか〜娑婆をそとというのに対し、苦界吉原をなかと呼んだ)は、江戸時代に現在の東京都台東区千束四丁目周辺に作られた
幕府公許の遊女屋が集まる遊廓である。著者はこの中にある引手茶屋「松葉屋」の女将を、昭和26年から遊郭は異種まで務めた。
まさしく、「内側(なか)から観た吉原(なか)」である。
そのシステムや、女の子たちの採用まで現場に板人しか知らない情報が満載で、
廓噺をする噺家はすべからく読まねばならない基本文献である。
夢の世界で、しかも苦界世にも奇妙な吉原の愛と哀しみが分かる本である。
「禿(かむろ)は、五つ六つの頃に田舎からカネと引替えに連れてこられ、芸事や礼儀作法を仕込まれます。
振袖新造になり(客を取る)それから花魁に上がっていきますので、その間にかかった莫大な費用を取り戻すために
年季(ねん)が加算されることもありました。10年の年季と言っても2,3年お礼奉公をするのが普通です」