今ラグビー界は、無敵のワセダを作り上げた清宮監督流の、詳細なデータ分析に基づいた作戦と、ウェイトトレーニングによる身体能力の向上により、敵を「クラッシュする」という作戦が大流行である。しかし、それはラグビーにおけるプレーの「創造性」を否定することではないのか。この本では、ラグビーを武道の視点から捉えなおすことにより、「不自然な体の動きで筋肉を鍛えるトレーニングは無意味、気持ちの良い身体運用を身に着けて、身体能力を向上させることが大事」「プレーの中では、状況を見て判断してから動くのでは遅い、とにかく身体が自然に動かなくてはいけない、相手を自分の思うがままに操れるようになるのがベスト」「時間・身体を細かく割れるようになることが肝心」という、現在のデータ分析とウェイトトレーニングを真っ向から否定する議論を展開している。対談者の平尾剛選手が、立派な指導者となり、こうしたテーゼを実現して、日本のラグビーを強くしてくれることを強く期待する。