これは、1985年から約2年間の司馬さんのエッセイを綴った書です。
それまで、多くを日本や中国について執筆されていた司馬さんですが、85年にアメリカを取材され、「アメリカ素描」を書かれました。司馬さんの目を通すと、中国などに比べて浅い歴史なのに、いかにも民族が融合したアメリカの新しい文明を見ることができます。
また、「ロシアについて」も執筆されていますが、ベルリンの壁が崩壊する直前に、両国を記事にされたことが、司馬さんの見通しというものを感じさせます。
「時代を超えた竜馬の魅力」では、勝海舟と竜馬の会話から、中国の堯舜時代を引用され、海援隊のいろは丸事件を題材に、岩崎弥太郎の活動と九十九商会から三菱への興りを語られています。
「大阪の原形―日本におけるもっとも市民的な都市」では、縄文時代から明治維新を振り返りながら、大阪が果たした歴史的役割を物語っておられます。
どのエッセイを読んでも、司馬さんのこの知識力には、本当に驚かされます。