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司法官僚―裁判所の権力者たち (岩波新書)
 
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司法官僚―裁判所の権力者たち (岩波新書) (新書)

by 新藤 宗幸 (著)
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Product Description

内容(「BOOK」データベースより)

全国の裁判官の人事や予算などの司法行政を担う最高裁判所事務総局。その幹部を構成する「司法官僚」とは、裁判官の衣をまとった行政官である。彼らはどんな経歴の持ち主なのか。判事たちをどのように「統制」しているのか。司法の消極性をもたらしているその実態を検証し、市民のための裁判所のあり方を提言する。


著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

新藤 宗幸
1946年神奈川県生まれ。中央大学大学院法学研究科修士課程修了後、東京市政調査会研究員、専修大学法学部助教授、立教大学法学部教授をへて現在、千葉大学法経学部教授。専攻は行政学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

Product Details

  • 新書: 248 pages
  • Publisher: 岩波書店 (2009/08)
  • ISBN-10: 4004312000
  • ISBN-13: 978-4004312000
  • Release Date: 2009/08
  • Product Dimensions: 6.8 x 4.2 x 0.5 inches
  • Average Customer Review: 4.4 out of 5 stars  See all reviews (7 customer reviews)
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19 of 20 people found the following review helpful:
4.0 out of 5 stars チェック機関をチェックできないもどかしさ, 2009/9/16
By 革命人士 - See all my reviews
(TOP 500 REVIEWER)   
司法試験を経て、裁判官になること自体が超エリートであるような気もするが、任官10年までに、高裁長官、最高裁裁判官になる「エリート中のエリート」は既に決まっている。一人一人の経歴を明らかにして、スーパーエリートの階段を分析したのが本書。裁判官は最初の10年で最高裁事務総局に入れるか、にすべてかかっている。その数は約100人の同期任官中、数人。実はスーパーエリートたちの多くは、そのキャリアで余り裁判をしないし、所長、長官になるまで東京以外にほとんど出ない。その中でも、ライン局ではなく、人事や経理など司法行政の経験が司法トップへの近道なのだという。最高裁創設時以来60年、任官からトップへの道は笑っちゃう位変化がない。極めて硬直したシステムだ。

最高裁は異常に情報を出したがらない組織で、HPにも各局が何の仕事をしているのか何の説明もない。しかし、著者は数十年前の資料にもあたり、人事、判決案提示などで事務総局の権力がいかに絶大か示し、事務総局が日本の司法をノーチェックで全国津々浦々まで支配している現状を目の当たりにする。裁判所への情報公開請求が却下されても、その異議を認めるか判断するのも「裁判所」なんだから話にならない。

司法行政トップを職業裁判官が牛耳ることで、本来は別ライン採用である事務官で作られるべき司法行政による司法のチェックが効かない。逆に行政ばっかりやってきた人が司法のトップになることで、裁判経験も乏しく前例踏襲という習性のある「行政官」が司法の方向を決めてしまう。だから日本の司法は重度の秘密主義、前例踏襲的な判決が繰り返される。著者は最後に、裁判所の情報公開制度整備と事務総局から裁判官を排除する人事改革を提言している。賛成、と言いたいところだが、個人的には面倒なことに一切関わりたくないという役人根性溢れる裁判所事務官を多く見てきたので、うーむ……
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6 of 7 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars 「司法行政」の問題点を指摘―「司法改革」に一石を投じる, 2009/11/8
By 仮面ライター (札幌市) - See all my reviews
(TOP 1000 REVIEWER)   

 本年5月21日から裁判員制度がスタートしたけれど、裁判の当事者でもない限り、私たち市民から司法(裁判所)の中は基本的に見えにくい。それでも、世間の耳目を集めているような裁判については、マスコミなどを通じて公判内容等を窺うことができるが、本書の考察の対象となっている司法行政機構(司法官僚制)などの実情に関しては、全くと言っていいほど世に知られていないだろう。とりわけ、「司法制度改革」の議論においても、裁判部門はともかく、司法行政部門の改革は、ほとんど手付かずの状態にある、と思われる。

 こうした状況も踏まえ、著者の新藤宗幸・千葉大学教授は、「日本の司法行政機構の頂点に位置している」(p.77)最高裁判所事務総局などの権力構造にメスを入れ、「司法行政官(司法官僚)」たちの実態等に迫る。そして、最高裁をはじめとする各級裁判所における「裁判官会議」の形骸化や、判事補・裁判官の任用と再任用、転所(転勤)、昇任、報酬(昇給)、人事評価等に関する透明性の欠如、情報公開の不徹底、さらに“判検癒着”の温床とされる「判検交流」の弊害など、司法行政上の問題点を広範囲にわたって指摘する。

 1947年の最高裁判所発足以来、「日本の司法は最高裁判所の内部に、強大な権限を実質にもつ司法行政機構=最高裁事務総局を整備してきた。そして、一般の職業裁判官とは別に、一部のエリート職業裁判官を選別し司法行政にあたらせてきた」(p.17)。その司法行政部門が、裁判官の「独立と自治」及び各級裁判所の「分権と自治」を侵し、「官僚制的な『統制』」(同)を加えているとしたら、本末転倒も甚だしい、と言わざるを得ない。当書の中で、著者は価値ある提言も行っており、「司法改革」に一石を投じる書物であろう。
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5 of 6 people found the following review helpful:
4.0 out of 5 stars 有益な情報がコンパクトにまとめられているが,御説には余り共感しない, 2009/10/17
裁判官の人事に代表されるいわゆる司法行政について情報を得ようとするとなかなか難しいが,この本は既存の研究を相当広範にフォローした上でコンパクトにまとめており,有益な情報が至るところに詰まっている。この点は高く評価できる。

ただ,裁判官を統制から解放し,市民のための社会改革の道具として積極的に使いましょうという論調には完全には共感できない。どの裁判官にあたっても同じように裁判を受けられるというのは,私達にとって重要な価値ではなかろうか,と思うからである。どの裁判官が出てくるかで結論が全く違ってくるという世界は果たして良い世界なのだろうか。フォーラムショッピングの嵐が吹き荒れないだろうか。文句があるならば,最高裁まで争え,といって済むのだろうか。

また,著者が念頭においている積極的な裁判所観では,法と政治の役割分担が曖昧になるのではないか,という危惧も持った。著者からは,最後は憲法の適用の問題になるから,裁判所の役割を逸脱しているわけではない,という反論が待っているようにも思うが,憲法は,曖昧な原理しか書いていないわけで,それに依拠して,社会改革めいたことをされてしまうと,裁判所による政治と紙一重ではないか,と思ってしまうのである。現在の裁判所の状態がベストだといっているわけではないが,著者の議論にはちょっと乗れない。






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