誰かが「史記と十八史略を読めば中国史は分かる!」と宣っていました。それが本当かどうか分かりませんが、小生も東洋史ファンを自認しながら史記をきちんと読んでいないことに思い当たり、この際一念発起して読み始めることにしました。
さて、史記の邦訳にも様々なものがあるようですが、ちくま学芸文庫の本シリーズは、ほぼ完訳に近い内容であり、訳文も東亜同文書院系の小竹兄弟によるもので比較的読みやすいと言えると思います。
本書は、歴代皇帝等の事績を紹介する「本紀」の部分です。五帝から漢の武帝に至るまで、大まかな政治史の流れを概括しています。いろいろな見せ場が登場しますが、やはり項羽と劉邦の楚漢相争の物語は中国史上の一大クライマックスと言え、「鴻門の会」のくだりなどは手に汗握る迫真の描写です。
他方、致し方ないことながら、マイナーな地名・人名がやたらたくさん出てきますので、一気呵成に読み進む、というわけにはいかないようです。
史記は言わずと知れた天下の名書であり、評価を下すのは畏れ多い限りですが、一般の歴史ファンが読んだ方が良いか否かという観点から、星を4つ付けることとします。