本書は、2001年12月に刊行された単行本『叱る!知恵』(海竜社刊)を
改題の上、再編集し、文庫でまとめたものである。
本書の内容は、タイトルが提示するとおり、親が子どもを叱る際に心得て
おきたいことを、100項目集めて提示したものである。
本書の構成としては、考える力がつく叱り方のルール、我慢強い子になる
叱り方のルール、やる気が育つ叱り方のルール、行動力が伸びる叱り方の
ルール、自立力が高まる叱り方のルールという5章構成になっており、それ
ぞれの章で20項目、合計で100項目分の叱り方のルールが提示されている
形式になっている。
具体的には、一日中叱り続けない、男の子や女の子という概念を持ち出して
叱らない、体罰は決してしてはいけない、欲しいものを安易に買い与えない、
成績よりも努力を基準にすること、叱った後のフォローを忘れないこと、
まず親から行動すること、反抗心をいい方向に向けること、親も自分の時間
をもつこと、子どもに勉強を教えないこと等々が書かれている。
いずれも常識的なことではあるが、しかしこれらを実行に移せているかと
いう観点からすれば、心許ないというところかもしれない。まえがきでも
書かれているように、叱る目的は、相手の態度や言動を改めさせることが
目的で、ただ相手の反発を生むだけに終わってはならないものである。
そのためには、叱る際にも心得や技術が必要で、本書は叱る際の認識を
改めて高めてくれるだろう。
非常に読みやすい文体と構成で書かれており、100項目それぞれの見出しも
端的に内容を表しているため、著者の主張するポイントが伝わってきやすい
ことも本書の有難い点である。