この「台湾ノスタルジア」は、本としてだけでなくTBS-BSでもTV番組として放送された。昔、「マダム・ヤン」のコマーシャル(ハウス食品の高級インスタント麺)で有名になった女優・湯蘭花さんが、桃園の大渓老街を案内する場面などが楽しかった。60歳になるとは思えない彼女の美しさには驚いた。もちろん、この本の中にも同じ記事が紹介されている。
本書のサブタイトル「懐かしい日本に出会う旅」が示すように、台湾各地に今なお残る日本統治時代の建築物を訪ね、紹介することに主眼を置いている。中国や朝鮮半島では、日本統治時代の建築物が破壊されたり、荒れ放題になっているのに対し、台湾ではこの20年間、保存の気運が高まっている。台北旅行というと、国立故宮博物館が定番になっているが、あれは中国大陸の文物の保管場所に過ぎず、台湾の歴史とは無関係である。日本人が見るべきは、旧台湾総督府や国立台湾博物館だろう。私自身、台湾博物館と専売局の建物には心打たれたが、案の定、本書の表紙には台湾博物館のステンドグラスを登場させている。これらの建物を通じて「懐かしい日本に出会う」ことができるのはうれしい。
本書は台湾の大使館である「台北駐日経済文化代表処」が監修しただけあって、台湾各地の見所、ホテル、レストランなどの最新情報が盛り込まれている。旅行会社の台湾ガイドよりも中身が濃く、ずっと手許に置いておきたい内容となっている。