台湾に居を移し、台湾関係のガイドブックを何冊も書いてきた著者が、
1895−1945の50年間の日本統治時代につくられた
数々の施設を紹介する。
鉄道や発電所が建設当時と変わらぬ形で残されている一方、
ほとんど遺跡と化した建物もある。
第一部は、それらの施設紹介のガイドブック的な趣きだが、
第二部では、各地の古老などと会い、日本との関わり、日本への思いなどを
引き出していく。
日本統治について賛成も否定もしないかわりに、遺された施設や人に語らせることで
日本と台湾の深い関係を浮き彫りにした。
中国本土は反日だが、台湾は親日である。その理由は、
遺された施設の多さが物語っているとも言えるだろう。
おそらく台湾の人にとって、統治時代もひっくるめたすべてが
「自分たちの歴史」なのだと思う。
台湾語の中に日本語を語源とするものがかなり遺されているのも、驚きだった。
新書で300ページの厚さだが、飽きさせることなく読み応えもある。
巻頭のカラー口絵も効果的だ。