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台湾―四百年の歴史と展望 (中公新書)
 
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台湾―四百年の歴史と展望 (中公新書) [新書]

伊藤 潔
5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

一六二四年、大航海時代のオランダ支配に始まり、今日までの四百年に近い台湾の歴史は、「外来政権」による抑圧と住民の抵抗の記録である。外来政権はオランダ(スペイン)、鄭氏政権、清国、日本そして国民党政権である。では近年の目覚ましい経済発展の要因はどこにあったか。また急速な民主化の進捗は、対中国との関係で台湾をどのように変貌させるだろうか。一九九三年の「シンガポール会談」も踏まえ、歴史を描き、将来を展望する。

登録情報

  • 新書: 252ページ
  • 出版社: 中央公論社 (1993/8/25)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4121011449
  • ISBN-13: 978-4121011442
  • 発売日: 1993/8/25
  • 商品の寸法: 17.2 x 11.2 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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9 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
著者の熱意 2008/11/11
形式:新書
年代が今に近づいてくるとにわかに著者の文体が熱気を帯びてくる。国民党時代までの台湾史は非常に中庸。特に日本統治時代の記述は平衡の取れたもの。党外から民主活動のくだりは、学者としての平静さと台湾人としての熱き思いがブレンドされていて興味深い。進行中の歴史を描くのは非常に難しいが、時として主観的な文体も小気味よい。読者が鵜呑みしなければの話だが。
このレビューは参考になりましたか?
29 人中、25人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By botchi
形式:新書
台湾で生まれ育った筆者が、情熱と愛情を込めた書いた台湾の歴史です。15世紀末以降、現代までが書かれています。日本に関連しては、植民地化初期の苛烈な武断政治や台湾出身日本兵・軍属に対する戦後の処遇など、耳の痛いことも書かれていますが、教育やインフラ面に果たした役割や“法治主義”などは評価しており、公平な記述がなされています。近年の経済の発展や民主化について、多くのことが書かれている。民主化における李登輝の役割をやや詳しく書いている。反李登輝の中国共産党が禁書にしたい本だと思う。
このレビューは参考になりましたか?
2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By Edgar
形式:新書
「台湾、不憫だよなあ…」
ある酒場で隣のおじさんがポツリとつぶやいた言葉が、10年経つ今も忘れられない。台湾のポップカルチャーに夢中で、金城武だのF4だのには詳しかったが、歴史のことは何となく現代史を少し知っている程度の僕だった。
よし、ちゃんと台湾の歴史を知ろう、と重い腰を上げた。
本書は、16世紀中ごろ大航海時代のポルトガル人が「イル・フォルモサ(麗しの島)」と台湾を“発見”してから、20世紀末の李登輝の時代に至るまでの400年以上の歴史を、駆け足だが実に要領を得た文章で紹介している。
いくつも発見があったが、まず僕が驚いたのは、台湾に「台湾民主国」という独立時代があったこと。清から日本へ割譲される前の、ほんの短い期間ではあるけれど、「アジア最初の共和国が、ここに誕生した。ただし、諸外国の承認を得られぬまま日本の進撃により、ほどなくして消えたのである」(P69)
日本による統治についても、あらためて考えさせられた。「植民地経営は人類愛にもとづく『慈善事業』ではない。軍事力という物理的な措置で領土を獲得すれば、当然に武力による抵抗を招く。(中略)抵抗が激しいほど弾圧も強化されて行く」(P86)
もちろん多くの血がそこで流れたわけで、そのことを忘れて僕たちは過去を美化し過ぎてはいけないのだが、著者はまた「植民地支配を肯定するものではない」と断った上で、こうも書く。「植民地下の近代化、わけても教育の充実がなければ、一九七〇年代以降の台湾経済の飛躍的な発展はなく、いま少し先のことになっていたと思われる」(P117)
だから、のちに国民党がやって来たとき、「法治国家の市民に成長していた台湾人の目には、『祖国』の官吏の公私混同と腐敗ぶりは、これまた驚嘆すべきものに映った」(P141)
その国民党による台湾人の虐殺と粛清に関する記録は、読んでいて感情が高ぶる。「殺戮には機関銃が使用されたほか、鼻や耳を削ぎ落とした上に、掌に針金を通して数人一組に繋いだり、麻袋に詰めて海や川に投げ捨てるなど、極めて残虐なものであった」(P154)
台湾の歴史は、外来政権による抑圧と住民の抵抗の連続だが、国民党による支配も例外ではなかった。いや、とりわけひどかったことがよくわかる。
本書に「終章」はなく、その理由を著者はあとがきでこう記す。「台湾を故郷とする私の願いを込めてのことであり、台湾が永遠にこの地球に在りつづけることを、心から希求してやまないからである」(P240)
そして最後に、執筆中に母を失ったことに触れ、「母は日本語で教育を受けた世代であり、ありし日に小著を読んでもらえなかったことが心残りである。小著を亡き母に捧げたい」と結んで感動的だ。その著者も、2006年にこの世を去っている。
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