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近代の日本における国民意識の形成に「天皇」という存在がこれほど深く関わったのかと驚いた。非常に興味深い内容であった。時に筆者の天皇制に対する嫌悪感が感じられるが全体的に叙述は客観的である。特に私のように「尊王派」を自認している人間は自分の思想をある程度相対化して考えるためにも本書を読むべきである。
それにしてもほとんどすべての行啓幸についてこれほど詳細なデータを収集した筆者の根気には感服する。数字や地名の羅列とならんで具体的な描写があるのもよい。
作者は元日経新聞の東京社会部の記者。昭和天皇の最晩!年、病を取材し近代天皇制への関心を抱く。今は大学教員