「生意気。」に登場する茂木昴成さん(もぎこうせい、27歳、バツイチ・子煩悩の鳶職人)と彼に恋するかわいい好青年ケンジ(20歳、コンビニ店員、家族想いの真性ゲイ)のお話が2本。昴成さんの器の大きさ、やさしさ、洞察力の鋭さなど彼の魅力がたっぷりつまっていて、「彼のお嫁さんになりたい」というケンジくんに思いっきり同感。ノリはけっこうオヤジなんだけど(笑)、それさえ超然としてるというか、いやらしくない。惚れちゃうよなあ。
ただ、ケンジの煮つまった恋心におおらかな昴成が応えるというストーリーなので、感情のぶつかり合いとか、葛藤といった盛り上がりにはちょっと欠けます。「ほのぼの」系だと言えなくもないけど。(個人的には、BLの極意は「男同士でしかありえない恋愛」だと思ってるので、その意味このケンジくんは女の子であっても物語が成立してしまうという点でちょっぴり不発。)
しかし、しかし!
その分を補って余りあるのが、リンクした2本。昴成さんの相棒でやはり鳶の中野旬次さん(25歳、暗い美貌と陰惨な過去を引きずる暴力男)と、中野さんの魔性の魅力(笑)にどっぷりハマッてしまう目白靖くん(22歳、うっとりするくらい硬派で男前)のストーリー。パワフルな展開とけっこう真剣で熱い男たちといい、キレのいいギャグといい、鹿乃しうこさんの魅力満載です!
何しろ、口下手で無愛想、何かというと手が先に出る「狂犬」中野さんのキャラが最高。半端じゃなく乱暴で、ヤスをいい加減あごで使ってるくせに(昴成さんいわく「甘えてる」んだけど)、夜は一転、彼にメロメロでかわいいのなんのって・・・ツボだなあ。実は彼はひそかに昴成さんに憧れのような思慕を抱いていて、それを知って(最初は利用するんだけどね)苦しむヤスも、いじらしくて泣かせる。ちなみにえっちシーンよりも、告白・初キスシーンが一番好きかも。こいつらのキャラから言って可愛すぎるだろう!・・・とつっこみたくなるくらい、胸キュンなひとコマです。
巻末に収録されてる「白日」は、ちょっとシリアス系の高校生もの。学ランえっちが好きな人は必見では。