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20 人中、19人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
ほんわか優しい物語,
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レビュー対象商品: 古道具 中野商店 (単行本)
昭和半ばの雑多な生活用品が並ぶ古道具屋の中野商店。店主の中野さんは、痩せていてひげを生やしてニット帽をかぶっている。ひょうひょうとしたおじさんで、女癖が悪いのだけど、どこか憎めない。主人公はこの店でアルバイトをしているヒトミだ。語り手であるヒトミも、マイペースな女の子。全然流行に流されない、あせらない、滅多に動じない。中野さんのお姉さんであるサバサバしたマサヨさん、つかみどころのないアルバイトのタケオなど、とにかく人物描写がしっかりしているので、登場人物の顔や仕草や癖までもが目に浮かんでくるようだ。 この個性的なお店に集まってくるお客さんも、ちょっとヘンな人ばかりで、そんなお客さんが持って来るモノも変わっていて可笑しい。 物語自体は、こぢんまりした中野商店を舞台に、ヒトミのまわりの狭い世界を描いている。でも、それがとっても心地よくて、柔らかい世界なのだ。 読んでいると、古道具屋さんの埃の匂いを嗅いだ気がしたり、店先に置かれた客寄せのお皿や文鎮まで目に浮かんだり、とにかくこの小説の世界にはまってしまう。「読み終わりたくない!」と思う本ってなかなかないが、本書はまさにそんな一冊。ああー、まだまだ続きが読みたい!
10 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
どれもこれも珠玉。,
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レビュー対象商品: 古道具 中野商店 (単行本)
すごいです。すでにレビューを出されている方の「センセイの鞄」に劣らない傑作だと聞いて、即注文、そして即没頭。読み終わるのがさみしくて最後の2話あたりはせつなくなりました。 ヒトミ、タケオ、中野さん、マサヨさんすべてがすごく魅力的でバランスよく描かれていて、 読んだ人なら誰もが中野商店の様子や登場人物の姿かたちがいとも簡単に頭の中に映像化されてしまいます。 ヒトミとタケオの不器用なやりとりやぎこちない電話は好き同士でもなんだか空回りしてしまうしょうがなさがよく伝わり、 そうそうこれってあるある!と少しうれしくなります。 日常プラス少しあやふやで空想的な舞台でもちゃんとセックスの話も当たり前のように出てきて違和感ないところが川上さんの偉大なところです。
9 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
しゅるしゅる,
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レビュー対象商品: 古道具 中野商店 (新潮文庫) (文庫)
無気味だけれど愛らしい、奇怪だけど憎めない、そういうものを描いてきた川上さん。当初、熊や蛇だったそれらは、最近では変わった先生だったり男の子だったりしていますが、この作品ではぐっと現実的になって、ほとんど普通の小説です。もっとも無気味で奇怪なのは普通の人間だったということに落ち着きつつあるのでしょうか。表面的に変なものを描かなくても無気味で奇怪なものを描くことが出来るという川上さんの「進化」なのでしょうか。無気味で奇怪な雰囲気が好きなデビュー作以来のファンとしては、この小説の冒頭にあふれているそういう雰囲気に感激しました。特に「しゅるしゅると話す」という一文。好きだ嫌いだの話にまとまっていく前の、無気味で奇怪な書き出し。まいりました。
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