年取って子供のようになってしまった優子のおばあちゃんは、お風呂でだだをこねる。
せっけんが気に入らないのだ。
昔、優子がおばあちゃんっ子だった頃、おばあちゃんは「まめだのせっけん」をつかっていた。
花の匂いのつるつるの白い石鹸。
その石鹸をさがして、優子は「古道具ほんなら堂」へやって来た。
だが、ほんなら堂にあったのは古く固くなった「まめだのせっけん」一つだけ。
がっかりした優子に、ほんなら堂の橙花さんは、からくり時計を貸してくれた。
「わたしがほしいのは石鹸やのに。時計なんてどうしたらええん」
優子は困ってしまった。
その夜、からくり時計の小鳥が妙なことを言い始める……。
一話「まめだのせっけん」他、合わせて四編の連作短編集。
ほんなら堂の不思議な古道具と橙花さんが、子供たちのピンチに「ちょっとだけの不思議」を起こしてくれる物語。
このちょっとだけが、とてもいい。
ちょっとだけの不思議に助けられ、自分の力でピンチを切りひらく子供たち。
子供が大人を信じ、大人が子供を信じる世界。
そんな当たり前が当たり前でなくなった現代だからこそ、ぜひ子供たちに届けたい一冊。