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古語の謎―書き替えられる読みと意味 (中公新書)
 
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古語の謎―書き替えられる読みと意味 (中公新書) [単行本]

白石 良夫
5つ星のうち 3.5  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

古語とは何か。「明治維新以前の言葉」ではない。江戸時代には『源氏物語』の言葉が、平安時代には『万葉集』の言葉が古語であったように、今後も書き換えが続いていくのである。江戸中期、初めて「古典をその時代の言葉で読む」方法が確立する。賀茂真淵、本居宣長らによって夥しい古語が読まれ、解釈され、『万葉集』や『古事記』は庶民に近くなる。その過程で生まれた仮説や誤りの謎を解き、言葉の本質を考える。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

白石 良夫
1948(昭和23)年、愛媛県生まれ。九州大学文学部卒業、同大学院修士課程修了。北九州大学講師を経て83年、文部省入省、教科書調査官(国語担当)となる。2009年3月、文部科学省を定年退官し、現在、佐賀大学文化教育学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 単行本: 240ページ
  • 出版社: 中央公論新社 (2010/11)
  • ISBN-10: 4121020839
  • ISBN-13: 978-4121020833
  • 発売日: 2010/11
  • 商品の寸法: 17.2 x 11 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.5  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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本書は本居宣長や賀茂真淵などの江戸時代の古典研究者を多く登場させて
あの時代の雰囲気が伝わる話とりとめもなく書き綴ったものです。
古語や和歌に焦点を当てた部分もありますが、それのみを探究した内容ではなく、
全体としてみると江戸時代の研究者とその研究方法や題材としての書物などの
豆知識を徒然に書き記したという著書です。

帯には柿本人麻呂が登場し、1章では人麻呂の「ひむがしの野に〜」の訓み(よみ)
について検討しています。本書は万葉集の解読本ではなく、万葉集の検討はこの
歌のみです。しかも、この歌の訓みの結論は留保という尻切れトンボです。
帯を見て万葉集の解説本と勘違いしないように注意してください。

それはともかく、「ひむがし」が歌語(うたことば)ではないという考えは、万葉集の
歌語の外延が明確との前提に難があり、「ひむがし」が歌語ではないとする根拠も
弱いと思います。この歌の検討については万葉歌を解読する (NHKブックス)
をお勧めします。すばらしい本です。
多数ある巻末の参考文献のリストにはこの本が書かれていないのは残念です。
『偽史冒険世界』や『金印偽造事件』があるだけに。
源氏物語に触れた部分では本居宣長の『紫文要領』が引用されていませんが、
同書には学問への心構えなどについても良い記述があります。

気になったのは、架空(匿名)の他人をけなして自分を上げる類の記述がちらほらある
ことです。著者は取り立てて誰かに悪意を向けているわけではなく、楽しく読めるように
との配慮から書いていると思いますが、この種の記述が嫌いな方にはお勧めできません。
本居宣長「うひ山ぶみ」 (講談社学術文庫)の篤実な内容からは
「いい人なんだけど冗談がへた」というタイプの方とお見受けしました。
自分も似たようなタイプなのでこの点を悪く言う気はしませんが、あれは止めた方が
良いと思います。
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8 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
「やまと言葉」が漢字を中心とする文字で表現されるようになり、古語の訓や語義も時代によって変遷してきた。これらのことを、柿本人麻呂から契沖・賀茂真淵・本居宣長らをとおして様々に語ってくれる。

本書に出てくる屋代弘賢その他江戸時代の知識人から森銑三などの名は、本を愉しんだ先人としてなつかしい。本書は古学を学ぼうとする人たちには恰好の入門書である。最近の新書としてはたいへん優れた教養新書である。

本書の「末流本文の再生産」が古学の営み、とは絶妙な表現である。文芸作品は特にそういうものかもしれない。ただ、明治以降、(井上毅を除いて)古学は衰退の一途である。そして今日、『続日本紀』の宣命などは本居宣長から離れて、誤って解釈されたままである。そのことが我が国の政教関係を歪めているという重要な事実が等閑に付されている。

本書から古学の再興を志す人たちが出てくることをつよく願う。そうすれば著者に慎重さを強いている「皇国史観」なるものも、国典解釈の誤りから出たものであることが解明されるだろう。編集の吉田大作氏にも敬意を表したい。
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By ishilinguist トップ500レビュアー
 古い時代の言葉の実態そのものというよりも、後世においてどのようなものが正しいと認識されていたか、に焦点を当てた論考。単に古語の解釈が正しい、間違っているという点にとどまらず、どのように論じられ、認識されていたかに詳細な論考がなされている。具体的なケーススタディを通じ、なかなかに読みごたえがあり、国語学や日本史の知識や理解が求められるが、丁寧に読んでいけば、ことばのダイナミズムが味わえる。
 近代の言語学に通じる実証を重んじる合理的な態度が江戸時代に生まれたことが示され、さらに言えば、ことばに関する学問における「正しさ」についても考えさせられる。客観的に事実であるかは別にして、ある認識が正しいとされれば、それに対して考える価値があるとするのが本書のスタンスである。中高で習った古典とは一味もふた味も違っただいご味のある一冊である。
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