店頭かネットかを問わず古本探しの好きな人にとって,古本との付き合いを,より楽しくしてくれる一冊。
仕入れ方法における「店買い」と「宅買い」,それに「市場仕入れ」の違い,さらには,入札方法の実際について,知らない方はぜひ一読を。
また,値の張りそうな古本を安く買い集めて,古本屋に高く売る「セドリ」の存在が,市場の源流となったという話にも納得。全国チェーンの新古本屋の店内で,ネットで高く売れそうな本を携帯サイトをチェックしながら「仕入れる」若者の姿を連想してしまうのは私だけではあるまい。
著者が実際に出会った蔵書家を淡々と紹介する第5章がとくに印象的だったほか,脇村義太郎の『東西書肆街考』(岩波新書)や,奥本大三郎『虫のゐどころ』(新潮文庫)を読み直すきっかけを作ってくれたことにも感謝。