古書店の主の書いた本に多いのは,ページを開くとびっしりと文字が詰まっている本。中身は,誰が書いても本好きなら書けそうな内容で,読めば賢くなるかというと,私のなさけない記憶力では宝?の持ち腐れ。また,小説もありますが,なんだが,だるい,感じのものが多い気がします。そんな中で,この本,とても面白いです。ほんの数ページの切れのよい短編が本棚にならぶ書籍のように読者を迎えてくれます。実話か創作かも微妙に分からないのですが,著者の人生経験が背後にしっかりとうかがえます。本の話であるようで,本を巡る人々の話。私の知らない人生がいっぱい詰まっている本です。装丁も好い。サイズも良い。本そのものより,古書店巡りが好き,そういう,本,人,街,世界の雰囲気を愛する人にお勧めです。ページとともに時間が流れる。私としては,古本屋にぜったい流さない一冊です。