著者は,青森市で古書店林語堂を経営する現役古書店主。
「開業入門」とは言いながら,内容は至って辛口。
大人の落ち着いた視点と語り口は「ウラオモテを知った上で,この世界にチャレンジする若者にこそ期待する」というメッセージに読める。
なんせ,「思い立ったが凶日」という前書きに始まり,「セドラーに捧ぐ」という後書きで締めくくられている本書には,買い取りの丁重な断り方から万引き対策,古書目録の作り方といった実践的ノウハウのみならず,本の各部名称(天・地,小口など)や本の状態を示す語彙(ヤケ,ヨレなど)まで親切に記されており,むしろ「古書店ファン入門」の観がある。
初めて知った出版社だが,類書の多い中,信頼性が高く,読んでためになる一冊として,古本ファンには強く推薦したい。