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この本が単なる 「下町古本屋・古本市場等の当時の記録」 に終わっていないのは、おそらく著者の日記(著者は幼少の頃より膨大な量の日記を書き留めているらしい)から紡ぎ出される 「人間ドラマ」 がそこかしこに挿入されているからでしょう。開業以来10年以上にわたってライバルであった人物への焦燥、あこがれの人、共に下町の古書店を活性させようと取り組んだ仲間…。
ときに怒り、葛藤し、苦悩して切り盛りした一古書店が、目に浮かびます。
また、著者が蒐集している 「文筆家の肉筆物」 に関する論、これからの古本屋の行く末への提言など、古本屋業を50年続けてきた著者の意見はピリリと利きます。
記録・物語・意見と、3拍子そろった古本屋本。おすすめです。